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05.21  
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TOS リフィル

その事実を真っ先に受け入れなくてはいけないのは、私であるはずだった。
何故なら、私が全員を監督するいわゆる保護者業を担っていたからだ。
いつでも私は落ち着いて、周りを見通して判断を下してきた。

でも、今の私はどうやら現状をまるで理解しようとしていないようで。

それを受けいれることを身体が、心が、拒んでしょうがない。
確かに目は開いているはずなのに、何も見えない、そんな錯覚すらしてきた。
――いや、自分でも気付かずにそうしているのだろう。

脚に力が入らず座り込んでしまった私の視線は、本来彼のもとに注がれているはずだ。

けれど、私の目にはうまくそれが入ってこない。
なんて都合のいい身体をしているのだろう、と人事のように思う。
もうそこにはいない彼をこの目で見たくない、その思考にあわせて目の焦点を勝手にずらしてくれるなんて。都合が良い。

それが見えるなんて、信じたくない。

笑って私を口説いていた彼と、違いすぎる彼の姿が見えるなんて。


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お題使い回し第三弾
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