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04.30  
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一応本館付属コンテンツ 推敲してない書きかけとかネタとかメモとかSSとか(=なぐりがき
油断してると生温い女性向け表現も飛び出すかも 心の広い方向け。
はじめてご覧になる方はこちらをご一読いただければと思います。
本館(雑多文章)
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昔授業中書いたののリメイク

「手、大惨事だけど大丈夫」
 自主練を終えて部室に戻ってきたサエは、当然のように俺の向かい側の椅子を引いて笑った。言われて改めてボールペンを置いて、自分の右手を省みる。確かにひどいことはひどい、のだけれど。
「誰のためにやってることか分かってるかなサエ」
「ありがとう。だから頑張って」
「心底うざいんだけどその笑顔も左手も」
 スポーツドリンクを押さえているその左手には湿布が貼られていた。今日の体育の時間、サエにしては珍しくバスケットボールを受け取り損ねて、変な風に手を曲げてしまったせいだった。重症ではないけれど、確かに痛みが残っているらしい。部活のはじめ、彼は念のため今日一日は利き手を大事にするよと笑った。笑って、俺に部誌を差し出した。三年生が引退している今、この部活の暫定的な代表者はサエだった。だからいつもはサエが部誌を記しているのだが、その利き手は本日休業を宣言された。仕方なく差し出された部誌を受け取って代わりを務めていたのだが、この仕事の不向きさと言ったらなかった。
 ぱらぱらと過去の部誌を見返すと、ほぼ全てのページがボールペンで書かれていた。だからそれに則ってボールペンを筆箱から取り出したところまではよかった。ただ、元々あまり器用でない上に漢字の苦手な俺は度々書き間違って、そのたびに修正液のお世話になっていた。けれどかなしいかなその修正液すらまともに扱えず、液体の盛り上がってしまった箇所を指の腹で押しつぶすうちに、右手が彼の言う「大惨事」になってしまっていた。ボールペンの持ち方も正しくないので、黒インクもところどころに付着している。確かにひどい有様ではある。
「……とりあえず、明日は俺以外に頼んで」
 どうにか書き終えた部誌をサエの方に突き出す。サエはろくに読まずに閉じて、それを自身のロッカーに放り込んだ。
「たぶん明日は平気。お疲れ様」
「ほんと……疲れた」
 溜息を一つ吐くと一気に疲れを自覚する。手の感覚が少しおかしい。ぱたぱたと右手を振っていると、不意にサエがその手首を左手で掴んだ。何、と返したかすれ声を無視したまま、サエはするりと俺の手首から人差し指に持ち替えて、親指の爪を立てた。――もとい、こびりついた修正液をこそげ落とそうと引っ掻いた。声を荒げるほどではないが普通に痛い。その上修正液は落ちやしない。サエ、お前ちょっといい加減にしろ。主に「大事にする」はずの左手を使って無駄なことをしてるあたり。
「落ちないなぁ」
 見りゃ分かる。それでも律儀に主語をきいてやる俺は大概サエに甘い。
「何が?」
「えー、亮が、俺に?」
 聞いたことを深く後悔した。答えるのに、一瞬間があった。その間でふざけた回答を用意した、彼の思考回路が嫌というほど分かる。落ちてたまるか、人に迷惑かけても殊勝な態度をとるどころかニコニコ笑ってふざけるような奴に。
「怒んないで。とりあえずこの手ぐらい洗ってあげるよ」
 怪我人に洗わせる手は持ち合わせていない。サエの左手を払って、もう一度ボールペンを手に取る。奴の左手の湿布の上に「バカ」と書いた。たぶん今日家に帰った後、この湿布をサエは捨てられない。そういうサエの性質を分かっているのに、結局行動してからそのことを思い出す俺もバカだった。だからきっと、次にサエが手を怪我した時も、部誌を書くのは俺だと予感した。

 借りる本を決めてカウンターに向かう途中、滝は目の端で見知った人の姿を捉えた。二歩後戻りして、通り過ぎた本棚をもう一度覗く。見間違えではなかった。


「日吉」


 図書室では静寂を保たなければならない。だから本棚の外から声をかけることはしないで、近寄って小声で名前を呼んだ。滝の姿を見て、彼はすぐさま立ち読みしていた本を閉じて会釈した。『下剋上』という言い回しと、向上心ゆえの生意気さの目立つ後輩だったが、彼は基本的に真面目で礼儀正しい人間だ。どうも、と挨拶する声も、部活で聞くものよりも控えめのトーン。それはこの場のTPOをわきまえてのことだと思ったのだけれど。


「疲れた顔してる。寝不足?」


 会釈の後にあげた顔には、はっきり疲労が表れていた。顔が普段よりも青白く、目の下には隈がある。日吉はテニス部の中でも特別体力があるわけではないが、合宿でもこんな顔をしたところを見た覚えはない。


「……いえ、大丈夫です」


 滝が寝不足と言ったせいだろうか、目の下をごしごしと乱暴にこすって話を切り上げようとした。そんなことをしても隈はなかったことにはならないし、ごまかされてやる気もなかった。何より滝は知っている。日吉の「大丈夫」という言葉は、滝に心配をかけさせないため、というような殊勝な類のものではないことを。自分の弱っているところを見せたくないだとか、負けたくないだとか。意地っ張りで負けず嫌いな性格から出てきた言葉だ。大方、この程度で疲れていたら跡部に下剋上なんかできない、なんて考えているのだろう。全く、素直じゃない。


「仕方ないなぁ」


 その口は、きっと滝がどんな言葉をかけても強がりしか吐かないに違いない。だから滝は、文庫本を持ったまま日吉の背に素早く両手を回して、有無を言わさず抱きしめた。


「ちょっと!」


 突然の滝の行動に憤った日吉が即座に振り払おうとしたが、「静かに」と声をかけると渋々落ち着いた。下手に振り払おうものなら本棚にぶつかって騒がしくなるかもしれない。彼を見つけたのがこの場所でよかった、とのんきに思う。純粋な腕力だけでは正レギュラーとなった彼を腕の中に閉じ込めておけたか、分からない。


「30秒だけ」


「は?」


「30秒ハグするとストレス3分の1になるんだってさ。お前が言うには寝不足も疲労も『大丈夫』だそうだけど? ストレスない奴なんていないだろ」


 耳元で囁くように、しかしはっきりと命令すると、日吉は深い溜息を吐いた。結局体育会精神の根付いた彼は、先輩からの命令には逆らえないようにできている。こうやって命令してくる滝自体がストレスだ、くらい言い返せる普段の元気が彼にあるようなら、滝は日吉を解放してやるつもりでいた。しかし彼は観念した様子で額を滝の肩に預けた。


「30秒だけ、ですよ。あんた測るの得意でしょ」


「うん。任せといて」


 そうしてやっと素直に甘えた日吉を、滝は10秒長く抱きしめた。30秒と40秒ではかなりの差がある。滝ほどには正確に時間を測れない日吉でも、心の中で数えていれば「長い」と気づく程度の誤差。それでも日吉は結局、滝の手を振り払わなかった。それは恐らく彼が上下関係に真面目だからでも、疲れきっていたからでもなく。


(俺も甘えちゃった)


 ストレスのない奴なんていない。日吉にだって――滝にだって、それはあって然るもの。30秒で3分の1なら、数学的には10秒で9分の1のストレス解消。けれど日吉に許されたその10秒は、滝のストレスをいっそ全て吹き飛ばしてしまいそうだった。


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小ネタのわりに結構長いことあっためてたひよたき


ふぉろわさんに背中押してもらって深夜テンションでなぐりがき
3rdひよたきみたかった・・・・・・!!!!!!!
「行きたいんでしょう?」
 マルスは笑って羊皮紙を差し出した。マケドニアのミネルバ王女宛ての文書だった。カインは目を大きく見開いてから、それを隠すように頬を掻いた。そんなことで君主の目は誤魔化されてやらない。行きたい、という言葉に動揺したことくらいお見通しだ。彼がそのことを肯定するかしないかはさておいて。
「……マケドニアへはどんなに速く私の馬が駆けようとも、往復で三日を要します。しかし、明後日には新兵の卒業演習を監督するようアラン殿から申しつけられています」
 そのことはマルスも承知していた。半期ごとに募集されるアリティア軍の新兵が、最後の訓練として課せられる演習。先の戦いで民衆の希望となったマルスの人望は厚く、今期はそのマルスの為に、と例年をはるかに超える数の志願者が集まっていた。長年宮廷騎士団長を務めていたジェイガンが退いた後、カインは後任のアランを支えながら、教官として後進の育成に励んでいた。その集大成に当たる卒業演習は、彼にとって外すことのできない任務であった。
 しかし、臣下の仕事一つ把握していないマルスではない。概ね想定していた通りのカインの返答にしたり顔をして、有無を言わせずその手に文書を握らせた。
「それに関しては、もう手を打ってあるよ」
「は…?」
「ドーガと、あと一人。強力な助っ人を代わりに僕から頼んである。渋られたんだけど、奥さんの後押しもあって承諾してくれたよ」
 奥さん、という言葉をやや強調して伝えた。彼に話すのはそれだけでよかった。
「まさか、アベルが?」
「うん。……早く会ってこいって、皆笑ってたよ」
 特にエストに計画を話した時は、大喜びしていた。アリティアへ越してきて新婚生活を満喫しながらも、いつも彼女の頭の片隅にはマケドニアにいる姉たちの姿があったという。手紙のやり取りは頻繁にあったが、アベルと始めたばかりの店の切り盛りは忙しく、実際に様子を見に行くことはできずにいた。だから、カインが「彼女」に会いたそうにしているから、マケドニアに行かせる計画を手伝ってくれないか、というマルスの頼みに、エストは飛び跳ねて喜んでいた。
 お膳立てはした。だからあとは、彼の意志一つだ。
「……ありがとうございます」
 そして彼は、そこでなおためらうような男ではなかった。
「ミネルバ王女に、マリア王女に、パオラに……カチュアによろしくね」
 彼は文書を押し頂き、マルスの御前から退った。


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たぶん前後なにか考えてたんだけどもう思い出せない
高校の頃書いたカイカチュさんリサイクル

ジョーカーとフローラの幸せかはわからないあれこれメモ。

フローラはどこを好きだったんだろう。
死ぬほど努力するところ?
あのなんだかんだきれいな顔と声?(目めっちゃかわいい)
口が悪くとも優しいところ?
カムイしか見てないところ?

ジョーカーがモズメに対してとかニュクスに対してとか優しいところを見てると、フローラに対してもあんな感じだったのかもと思ったり。
貴族出身だったジョーカーには人質としてのフローラの事情が分かっても……いいと思うんだけど、そうするとシナリオと整合性取れないのかな。
でもフェリシアがあんなだからなあ。
そんな地方のことまでは分からないのかね。地理は分かってたけど。
氷の部族であることは隠してなかったけど、族長の娘であることは隠してたの?
でも族長の娘でもないのに王族のメイドってのも変だよね?
んんん?

氷の部族の皮膚が冷たく体温低い設定たいへん萌えるのでどこかに活かしたい。
高熱を自分に移すと死に至ることもある(カムフェリ支援会話)。めもめも。

白夜のフローラ、溶けて消えるのかもしれない
というのを人様の作品で読んでウオオオオとなったのでメモ。

跡かた残らず消えてしまうフローラ・・・・・・・。
儚いね。
どうでもいいけど氷の血と冷血(レオン)似てるよね。名前が。
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