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04.08  SBP2
「ところで切原クン」
「なんスか?」
「キミんところの柳クンからな、キミへの伝言を預かってきとるんやけど」
「ええ? 柳先輩から?」
「そう微妙そうな顔せんとき。あんな形でココを出てった先輩から伝言なんて、素直には聞きたくないかもしれへんけどな」
「……いや、ウチの先輩らは先輩らの中で全部話を完結させて、俺には全っ然教えもしないし聞かせようともしないことが殆どだから、びっくりして身構えただけっす」
「そか。……嬉しい?」
「そーでもねえっすよ、なんかロクなことじゃねえ気もするし」
「おお、そういう勘は働くんやなあ」
「げえっ!? お、俺ちょっと用事を思い出したんですけど白石さん」
「それ、返しとしては60点やな。可もなく不可もなく、ベタすぎて嘘としては難易度低いなあ」
「どーでもいいっすよ!」
「そう言わんと、聞きやって。柳クンが君のこと考えて残していったっちゅーのには変わりないんやから」
「でもわざわざアンタを間に挟んでるのも、考えてみりゃ意味わかんねえし」
「んー、これは俺の意見やけど、それは切原クンの頭がちゃんと冷えとるときに話す必要があったからやと思うよ。あの試合の直後やとまたカッと血ィ上らせかねへんから、柳クンが去った後に、俺から伝えるっちゅー形をとったんやと思う」
「……ちっ」
「ハイ舌打ちせえへんの。ちゅー訳やからまずは何も考えんと聞きなさい。いいな?」
「分かった、分かりましたよ、聞けばいいんでしょ?」
「よく言えました。えーと、何やっけ、あの皮膚赤くなるやつ。悪魔化? するのを禁止やて。せえへんでもエエくらい強うなって帰って来い、立海3強への挑戦はそれができるようになってから再度受けてくれるて。これはさっき切原クンも言うてたけど、立海の三年たちで話して決めたんやって」
「やっぱりロクなことじゃねえ」
「けど、悪魔化しても柳クンとはわたりあえへんかったやん」
「……わーかってますよ。……うるせえな」
「ほらもう目ェ赤い。もうこれからそうなる度にこの毒手唸らせるからな」
「はぁ!? ていうか、なんでアンタに指図されんだよ?」
「柳クンと約束してん。柳クンの代わりに、キミが悪魔化しないようにするってな」
「……アンタも損な役回りだねェ」
「損得で引き受けた約束やないから心配無用や」
「それでも俺みたいなのをホイホイ引き受けちゃうアンタの気は知れねーっすけど」
「んー? 簡単やで、柳クンが俺を頼ったから」
「柳先輩が……」
「期待されるから応えたなるだけ。俺を信頼してくれるんやから、それに見合う行動をとろうと思うだけ、や。せやから切原クンもちゃんと柳クンたちの期待に応える努力をせなあかんで」
「先輩等の期待? 冗談でしょ」
「アホやなあ、わざわざキミのためにこんな事細かに伝言残してく先輩なんて、キミに期待しとるとしか考えられへんやん。悪魔化せんでもええくらい強なって、自分を倒しに来るのを、柳クンらは待ってると思う」
「なんでそんな、部外者なのに知ったような口利くんすか」
「ああ、すまん。それは俺の話し方のせいやな。もちろん憶測やで、けどなあ……同じ『三年生』で後輩を持つ身分やからな、なんとなく考えてることの察して、つくで」
「そんなもんすか」
「そんなもんや。ちゅー訳やから、この合宿、一緒にがんばろな。んで、全部終わって帰るときには素で先輩等倒せるようになりや。ええな?」
「もともと立海3強を打ち負かして立海のトップになるってのが、俺の目標だ。……果たすために必要なら、俺にはやるしか道はねぇ」
「それを聞いて安心や。ほな、今後悪魔化したらこの毒手使うてめっちゃ痛い目薬さしたるから、覚悟しときーや!」
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