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04.06  SBP2

「バネさんっ」
「うわあ、六角の連中以外からその呼び方されんのすげえ違和感」
「うん、天根クンに影響されて呼んでみたはええけど俺も微妙に馴染まへんから、黒羽呼びでエエな?」
「いちいち断りいれるようなことじゃねーだろう、へんに律儀なところはサエ似だな」
「あの無駄の塊みたいなんと一緒にせんでくれる?」
「無駄の塊って……まあ無駄に男前だけどな」
「浪速のエクスタシー侍としてはあの無駄、ほっとけへんわあ」
「お、出た! 噂のエクスタ侍」
「噂のってなんやねん」
「いや、ダビデも『エクスタ侍と話した』とかいってたから」
「ああ、そういやツッコミせえへんのー言われてちょおやったな。あれは一応ツッコミ・ボケ両用のネタなんやけど……ツッコミのほうで使ってくれたん天根クンぐらいやで」
「いやボケだろ……エクスタシー侍って、存在自体が」
「んー、でも俺、エクスタシー侍なら誰もが黙認状態の佐伯の無駄をツッコめると思うんやけど、どやろ?」
「黙認ていうか、あれ皆慣れてるからな。素で無駄だからツッコんだところでどうにもならないの、皆分かってる」
「……へーえ」
「ん?」
「六角が異様に仲良い原因、ちょお分かる気がするわ」
「小学生ん時から大体一緒にいるし、そりゃ他と比べれば負けねーけどなあ」
「それはもちろんやけど、根本を正そうとするツッコミが六角にはおらへん、多分」
「根本?」
「自分の価値観と互いの価値観がかぶっとるっちゅーか。たとえばクラスにどうしてもこいつの考え方は絶対間違うとる受け入れられんー、ちゅーような人間が一人か二人は居るやろ?」
「あー、まあいるにはいるな」
「それが多分、六角テニス部の中にはおらへんのやわ。『いやお前それはおかしいだろ!』ってツッコミいれたなるような人間が」
「うーん……まあそんな大層なことはねーんじゃねーかな。とりあえずダビデのダジャレは条件反射で蹴りいれちゃうくらいには『おかしいだろ!』と思ってるけどな」
「でも、『コイツはこういう奴だしな』、って思ってるやろ。部員全員に対して」
「それは否定しないけど、そんなのどこの部活も似たり寄ったりじゃねえか? 白石んとこは?」
「うちは、それに対して『おかしいやろ!』ってツッコミかケンカが勃発する集団。相手の価値観や人格を黙認するんやなくて、お笑いなりケンカなりの形でコミュニケーションとって確かめて納得する感じ。せやから、部員全員を「こういう奴だから」言うて許容できるとか、絶対あらへんわ」
「よく分かんねえけど、多分それはそれで間違ってねーよ。多分俺らはそういう衝突を、小学生の間に済ませてんだ」
「ああ、なるほど。小学生ん時から一緒っちゅーんはやっぱ強いなあ。……なあ黒羽クン」
「なんだ?」
「たとえ今理解できひん奴がおったとしても……あと向こう2年3年一緒に居りつづければ、理解できるようになるかな。黒羽が佐伯クンとか天根クンを「こういう奴だから」って、許容できるように」
「……できるだろ、理解しようと白石がしてんだから。為せば成るってんだ」
「単純やな。けど、そーいうん嫌いやないで、無駄ないし」
「俺は白石の考え方が思いのほか複雑で無駄の基準が分からないけどな……」
「はは、黒羽クンはそんな複雑な考え方でエクスタ侍やっとる俺でも許容してくれる?」
「よし、ツッコミ兼ねた飛び蹴り一発入れさせてくれたらそれであとは黙認してやるよ」
「んんーっ、エクスタシー!」
「その決め台詞、おかしいだろ、コノヤロウっ!」

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明日(ていうか今日)から学校。後書きはまた帰ってきてから。

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