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「んー……」
「なんや、剣太郎クン。こっち向いとる顔が大分怖なっとるけど。腹でも痛いんか?」
「いや、そうじゃないんです。そうじゃないんですよ白石さん」
「ほなら、どうしたん?」
「実は……ちょっと、白石さんに相談? っていうか聞きたいこと? があって」
「ああ、そないなこと。なんでも聞いてくれてええよ」
「じゃあ、思い切って単刀直入に言っちゃいますけど、白石さんモテますよね?」
「は?」
「白石さんって女の子にきゃあきゃあ言われるタイプでしょう?」
「きゃあきゃあって……」
「サエさんが言ってましたよ」
「佐伯が?」
「この前白石さんと話したって言ってたからどんな人だった? って聞いたら女の子受けしそうな人だったって……」
「あいつ俺のことそんなん言うたん? 佐伯こそ女子に人気ありそうなんに」
「サエさんは酷いモテっぷりですよ! 気がないのに変に誰にでも優しいから! サエさんのいいとこだけど!」
「剣太郎クンそれ褒めたいん? 貶したいん?」
「いや、サエさんは関係ないんです。この際。僕は今白石さんと話してるんだし」
「……それで? 結局何が聞きたいんや?」
「うーん……白石さん2年生から部長やってるんですよね?」
「あぁ、まあな」
「部長になってから、周りの女の子の態度変わったりしました? 急に熱っぽい視線送られちゃったりとか」
「変わりはたぶんなかった、と思うけど」
「たぶんって?」
「俺そん時期って結構テンパっててなあ……テニスっちゅーか、部活のことばっか考えてそれに集中してて、周り見えてなかった時期なんや」
「いつも余裕ありそうで不敵に見える白石さんにもそういうことあったんですか?」
「剣太郎クン言うなあ…でも俺も人の子やし、ちゅーか剣太郎クンがまるで緊張とかストレスとかなさそうにしてることに寧ろ俺は驚いたで。一年生やのに」
「あはは、そうですか? 僕、プレッシャーかかった方がエンジンかかって強くなれるタイプなんです。だから部長職もいいストレッサーで……って、そっか、じゃあ当時の様子とかはあんまり覚えてないんですね……」
「部長になることと女の子と何や関係あるんか?」
「ありまくりですよ! えーあの全国トップクラスのテニス部で部長やってるの? トップなの? 白石君カッコイイー みたいな風になったりしたんじゃないかと思ってその体験談聞きたかったんです」
「悪いけど、そういう話なら他の奴当たった方が参考になると思うで。俺恋愛に積極的な女の子ってちょっと苦手でな……上にも下にも女兄弟おるせいかもしれんけど、極力そういうん避けてきたから」
「うーん……そっかあ。白石さんに聞くの、いい案だと思ったんだけどなあ」
「……剣太郎クンはモテたいん? それとも誰か好きな子が居るの?」
「中間、というかどっちもなんですけど。モテたら、好きな子ができます」
「ん?」
「僕、自分に惚れた子がタイプ派なんです」
「へぇ?」
「だから、僕のこと好きになってくれた子には告白したいし、告白するだけの自信もほしいし。なにより僕のこと好きになって良かったって思ってもらいたいから、イイ男になりたくて……だからモテたいんです」
「なるほどなぁ……俺はカッコエエと思うよ、そういう思想」
「ほんとですか!?」
「エエと思う。恥ずかしげなくそういうこと言えてまうんは、六角のカラーなんかな。佐伯も口説き文句まがいのことわりとさらっと言いよるしな……あ、女子の意見聞きたいなら俺の妹に電話してみてもええけど、あいつは言うことキツいからな…」
「あはは、ありがとうございます。白石さんにカッコイイって言ってもらえただけで僕的には十分です」
「そか。ならええけど。じゃあ……まあ、頑張りいや」
「はい! よーし、新学期からはモテモテだあ! 頑張るぞー!」
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時系列的には佐伯→剣太郎で読める、はず。
剣太郎初書きですひぃーこんなんで大丈夫か……!?